いい会社なのに、なぜ採用で困るのか。
「地方だから、人が来ない」 「中小企業だから、採用できない」 「知名度がないから、大手には勝てない」
それを理由に思考を止めているなら、これは経営の問題です。
実際、岡山県に本社を置く、50名以下の中小企業で、この思い込みをひっくり返している会社があります。
この会社も以前は、採用で
「福利厚生」 「働きやすさ」 「採用条件」
など、条件を前面に出していたそうです。
ところが、内定辞退や離職が多いという問題が起きていた。
そこで、会社は採用の考え方を変えます。
条件を前面に出すのではなく、
「自分たちは何を目指す会社なのか」 「どんな考え方で仕事をする会社なのか」
を伝え、そこに共感する人を採用する方向へ切り替えた。
応募者の数は減った。
でも、内定辞退や離職は減り、人が定着するようになったといいます。
さらに、新卒応募者の約7割が県外から。
2022年には、山陽新聞社の岡山県新卒就職人気ランキングで、地元銀行を抑えて1位になっています。
では、採用できる会社と、なかなか採用できない会社。 何が違うのでしょうか。
採用に困ると、
「SNSを始めよう」 「採用サイトを作り直そう」 「求人媒体を変えよう」
と、どうしても「どう伝えるか」に目が向きます。
もちろん、それも大切です。
でも、その前に考えたい。
そもそも、自分たちはどんな会社なのか。
何を大切にし、なぜお客様や社員から選ばれているのか。
中小企業には、長く選ばれてきた理由や、そこで働く人にしか分からない良さがあります。
でも、自社の良さや、なぜ選ばれているのかを、まだ整理できていない。
だから、採用で語る言葉も他社と同じになってしまう。
岡山の会社が興味深いのは、採用の伝え方だけでなく、会社の中の働き方そのものも変えてきたことです。
代表就任を機に「働くに笑顔を」という考え方を掲げ、自分たちの働き方を見直し、社員全員が参加する改善の場をつくり、評価制度や休み方、仕事の進め方まで変えてきました。
つまり、
外への見せ方を変える前に、会社の中を整えている。
ここが重要です。
もちろん、給与が極端に低い。 休日が少ない。 長時間労働が当たり前。 昔ながらの働き方を変える気もない。
それなら、まず働く環境を直す話です。
昭和の働き方を残したまま、 「魅力をうまく伝えれば人が来る」 という話ではありません。
そのうえで、
採用サイトもSNSも求人広告も、すべて「伝える手段」です。
でも、その前に、
自分たちは何者で、何を大切にし、どんな価値を生み出している会社なのか。
それが整理され、社長の頭の中だけではなく、会社の中で共有されていなければ、どれだけ発信を増やしても、
「この会社だから選ぶ理由」は伝わりません。
弊社は、ここを会社の「土台」だと考えています。
この土台が曖昧だと、問題は採用だけでは終わりません。
入社後のミスマッチ。 社員ごとの判断のばらつき。 上司の指示がなければ動けない組織。 営業で自社の違いを説明できず、価格で比較される。
表面に出る問題は違っても、根をたどると同じ場所に行き着くことがあります。
だから、 外に伝える前に、まず自分たちの会社を知る。
社内を整えてから、社外へ伝える。
「地方だから」 「中小企業だから」 「知名度がないから」
それだけを、採用できない理由にしてはいけない。
選ばれない理由は、魅力がないからではない。
自分たちは何者で、何を大切にする会社なのか。 まず見直したいのは、その「土台」です。
あなたの会社では、 「私たちはどんな会社なのか」を、社長だけでなく社員も自分の言葉で話せますか?
<参照>
厚生労働省「LO活」掲載事例
厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」


