なぜ言語化できると、採用コストが「激減」するのか?
採用広告費を増やす前に、経営者が向き合うべき「問い」
「また採用コストが上がってしまった……」
ある経営者の方が、決算資料を眺めながら溜息をつきました。
求人サイトの掲載費、エージェントへの紹介料、面接に費やす時間、入社後の研修コスト。
そして、早期離職によってすべてが水泡に帰し、また一から始まる採用費用。積み上げてみれば、一人を採用するために数十万、時には数百万円かかっていることも珍しくありません 。
「でも、採用しないと仕事が回らないから、出すしかないんだよ」
その言葉を聞いて、私は一つだけ確認させていただきました。
「御社のことを、自分の言葉で語れる社員さんは、何人いますか?」

採用コストが下がらない会社の「共通点」
採用コストが膨らみ続ける会社には、ある共通した負のループが存在します。
広告を出す → 応募が来る → 面接をする → なんとなく採用する → 価値観のズレで早期離職 → また広告を出す……
この繰り返しです。問題の本質は、広告の質や面接の技術、給与水準ではありません。
「自社にとっての良い人」とは誰か、を明確に言語化できていないことにあります 。

「合う人」の定義がないまま採用するから、ミスマッチが起きる。ミスマッチが起きるから、離職が増え、またコストがかかる。この構造は、採用広告費をいくら増やしても解決しません 。
「言語化」が採用を劇的に変える3つの理由
では、なぜ「言語化」によってコストが下がるのか。具体的な理由は3つあります。
1. 「条件」ではなく「共感」で惹きつけられる
自社の価値観や「らしさ」を言語化して発信すると、「この会社、なんか好きだ」という層に届くようになります 。給与や条件だけで来た人は、より良い条件の他社が現れれば去ってしまいます。しかし、価値観に共感して来た人は、多少の条件差では揺らぎません。
2. 面接の「評価軸」がブレなくなる
「うちに合う人」が明確になっていれば、面接官がなんとなくの印象で判断することがなくなります 。明確な軸で選考できるため採用精度が上がり、結果として早期離職という最大のコストロスを防ぐことができます 。
3. 社員が「最強の広報」に変わる
自社の魅力が言語化され、社内に浸透すると、社員が自分の言葉で会社を語れるようになります 。「うちは最高だから、おいでよ!」という社員の紹介(リファラル採用)は、どんな広告よりも信頼性が高く、ミスマッチも防げる最高の方法です 。
採用は「集める」から「選ばれる」へ
多くの会社は「いい人を集める」という発想で動いています。
しかし、言語化が進んだ会社では、景色が少し違います。
「ここで働きたい」という人が、自然と集まってくる。 採用担当者が必死に探し回るのではなく、共感した人が向こうからやってくる 。
これは理想論ではありません。自社の価値観・文化・在り方を丁寧に整理し、ブレずに伝え続けた企業が、実際に手にしている結果です 。

採用の「手段」を増やす前に、やるべきこと
採用コストが高い、いい人が来ない、すぐ辞めてしまう。
そう感じているなら、広告を出す前に一度だけ立ち止まって考えてみてください。
- 自社の価値観は、明確な言葉になっていますか?
- 自社のらしさを、社員は語れますか?
- 「うちに合う人」を、定義できていますか?
これらに答えられないまま採用の「手段」だけを増やしても、根本的な問題は解決しません 。
言語化は、地味で時間のかかる作業に思えるかもしれません。 しかし、それは採用を、そして組織を根底から変える、最も投資対効果(ROI)の高い経営戦略なのです 。
株式会社three jobs 代表取締役
矢間あや
https://three-jobs.com/

