採用も広報も、うまくいかない理由は”カラダ”と同じでした。
「媒体を変えてみたんですが、一向に響かなくて。」
ある経営者の方が、少し疲れた顔でそう漏らしました。
採用がうまくいかない。広告費をかけても応募が来ない。せっかく採用してもすぐ辞めてしまう。何をやっても空回りしている感覚が1年以上つづいているというのです。

私はその言葉を聞きながら、理学療法士時代に担当していた、ある患者さんのことを思い出していました。
腰痛と採用問題は、同じ構造をしている
私はもともと理学療法士として、延べ2万人以上の患者さんと向き合ってきました。
そこで痛感したのは「腰が痛いから」と腰だけに痛み止めの注射やマッサージしても、痛みは必ず再発するということです。
原因は、姿勢の崩れや内臓の不調、あるいは無意識の歩き癖かもしれません。表面的な症状(現象)に振り回されるのではなく、根っこ(本質)を整えない限り、同じ痛みが何度でも戻ってきて本来の輝きを取り戻せません。

実は、企業の採用や組織の問題は、身体の問題とまったく同じ構造をしているのです。それは、本当の問題が「手段」ではなく、企業の根幹にある「言語化」にが出来ていないことにあるからです。
「なんとなくわかっている」は、経営の黄色信号
私が経営者の方々にお会いしたとき聞くことがあります。
「御社の"らしさ"を、誰にでも伝わる言葉で定義できていますか?」
多くの場合、答えに詰まった後にこう帰ってきます。
「……なんとなくはわかっているんですが。」
この「なんとなくわかっている」状態が、実は一番の落とし穴です。

自社がどこを目指し、何を良しとするのかが明確でなければ、求人票に何を書けばいいかもわからず魂は宿りません。
自社にとっての「良い人」を定義できていなければ、ミスマッチが起きるのは当然です。
価値観のズレた採用は、既存社員の疲弊を招き、組織の士気を下げてしまいます。
さらに自社らしさが言語化できていなければ、入社した人が「思っていた会社と違う」と感じ退職に流れるのは当然の結果です。
「伝える」前に、まず「言語化」で土台を整える
これは採用に限った話ではありません。
情報の言語化ができていないまま施策を打つのは、砂の上に白を建てるようなものです。
私が支援の第一歩として行うのは、広報PRの手法を教えることではなく、経営者の想いやビジョンを一冊の『会社の教科書』にまとめることです。
自社はなぜ存在するのか。どんな価値観を大切にしているのか。 この本質が言葉として整うことで、初めて社内外の「理解」と「共感」が生まれ、企業の「推し」が増えていきます 。
SNSを運用しているのに反応がない。社内の一体感が生まれない。社員が自主的に動いてくれない。
一見バラバラに見えるこれらの問題、実はすべて同じ根っこから来ているのです。
カラダも、経営も、本質から整える
理学療法士として学んだ「根本から整える」という視点は、私のすべての活動の核です。 身体の状態を整えることは、挑戦するための武器を手に入れること。そして、企業の情報を言語化することは、組織が自走するための土台を作ることです 。
もし今、採用や組織のコミュニケーションに悩んでいるのなら、一度立ち止まって問いかけてみてください。 「自社の“らしさ”を、今の自分は迷いなく言葉にできるだろうか?」
答えに迷いがあるなら、そこが本当のスタートラインです。
問題の根っこは、いつも驚くほどシンプルなところにあります。
矢間あや
株式会社three jobs 代表取締役
https://three-jobs.com/

